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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

難しいなあ。(過去日記より)

 特別支援教育…理念とか方向性はすばらしいことだと個人的には思う。普通学級の中の発達障害を持つ子への配慮を全教師ができるようになれば、他の子にとっても優しい教育…になると思う。研究も法制化もこれから本格的になるのかもしれないが、少なくとも現在の私の身の回りでは「お金はないよ、人材は今いる人で何とかして。」という感じだし、一般の教員への発達障害の研修も進んでないし、あまり変化を感じないのである。(モデル地区のはずなんだけど…)

 特別支援教育の担い手?になるようなアドバイザーとかコーディネーターとかいう存在があるのだが、やはりここに医療分野の人とか大学の研究者とかかなりの専門家が必要なのだと思う。たとえば小・中学校の1校に1人、この活動のためにフリーでいられる人(教育関係者)がいて、その人たち5人(5校)に2名くらいの割合で専門家がついていて、週に1回はその7人が集まってそれぞれの学校のケースを検討する。どの学校に誰が行くかとか、状況に応じてこのグループの中で自由に動いていい…というようなシステムを、私が決めていいのなら実行するのだが、そのためには私を文部科学大臣にしてください(笑)。

 で、現実の、私の知っている範囲では、校内の養護教諭・生活指導主任・学年主任などからアドバイザーを任命し…となっているようで、まあよくもこう「校内で一番忙しい人たち」を選んで指名するものだ…とあきれてしまった。これらの人たちは、もともと発達障害がある子の事例にも詳しいし、ほっといても関わっているし、だからあえて代表にする必要もないのである(むしろ仕事を増やしてやる気をなくさせるだけである)。新たな人を外部から雇い入れる予算も使わずに大事業をやろうなんて無理!

 さらに各地域の養護学校を基盤として、周辺の小・中学校の先生に「支援の仕方」を伝授する研修をしたり、相談に乗るというような事業も始まっている。このための人数も養護学校側では増やしてもらっていないので、担当の先生が出かける度に、養護学校のそのクラスが手薄になる…という様子を養護学校勤務の頃不思議に思ってみていた。「養護学校の生徒の授業よりも、特別支援教育の出張が優先なの?」という素朴な疑問である(もしかしたらこれは校長の方針だったのかも)。

 特に今回の特別支援教育で新たに支援の対象となったのは、AD/HD(注意欠陥/多動性障害)とLD(学習障害)と高機能自閉症の生徒達なのである。でもそれを教える…となっている養護学校の先生達の方が彼らと接している経験は少ないのである。もちろんそういう生徒も養護学校にはいるが、その年に自分のクラスに入らなければそうそう出会えない。それらがどういう障碍なのかちゃんとわかっている小・中学校の先生はまだそう多くはないかもしれないが、学んでしまえば「事例の体験」はそっちの方が明らかに多くできているのである。私ですら少なく見積もっても20人近い生徒の事例を中学校の普通学級の記憶から引き出せるのだから…。

 で、養護学校でそれらの障碍を持っている生徒は、すでに「診断済み」だし、保護者もそれを受け入れたからこそ養護学校に在籍しているのである。ところが、小・中学校での難しさは、医師の診断を受けてない場合が多く、保護者との人間関係がうまくいっていなければ診察を勧めることも難しく、生徒本人に悟られないように支援しなければいけない…という場面もありうるというところである。そのことについてこそ、アドバイスが欲しいと思うのだが…。

 だから、自由に動ける人とか専門家とかそういう人がうようよしている環境をまず作ることが大切だ! 活動が本格的になる前にボロの方がすでに出ていて今後のことがとても気になる!

 今ある心身障害学級(特殊学級)だって「いずれなくなるかも」とか言われれば当然保護者は今後のことを心配するのだ。などといいつつ、今月も特別支援教育の報告会とか説明会に、「親&学校関係者」という複雑な立場で参加する予定である。どっちの立場もわかっているせいか、モヤモヤして意見がまとまらずに何も言えずに、人の話だけ聞いて帰ってくる…というちょっと弱気な私であるが…。

 最初に書いたように「特別支援教育」そのものは成功して欲しいと願う一市民(でも文部科学大臣就任希望者)なのであった。





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